吉浦ブログ
瀬戸内海に面した呉市吉浦。弥生石器が出土したこの街・吉浦を歩いてみると、昔ながらの人なつっこい人情や情緒を感じます。「かくまでに 思はざりしに 来てみれば いと住みやすき よし浦の里」。この歌は、吉浦八幡神社の山の手の歌碑公園に建立されています。紫式部の父である筑紫守・藤原為時が詠んだ和歌です。いにしえの歌そのままに、今も通じる住みやすき吉浦を、画像で捉えてみました。
呉市吉浦宮花町を流れる宮花川。上流では、コンクリートでしっかり固めてあり、土砂災害に備えた造りです。宮花川には、5種類の表示板があります。この「砂防指定地 宮花川」がひとつ目。
中流には、頑丈な砂防ダムがあり、「砂防指定地 宮花川砂防ダム」の表示板は、湿気のためにカビがはえたようで風化がはげしく、判読しずらい。これがふたつ目の表示板。
町家沿いの生活道路と、崖がわの遊歩道が、川を挟んでいます。宮花川を散歩するのが楽しくなります。
土石流が発生するおそれがあると記されている三つ目の「砂防指定地・山腹崩壊危険地区・土石流危険渓流 宮花川」の表示板。危険の文字がふたつも記されているこの表示板も、退色しつつあります。なんとも、怖い怖い表示板に見えました。
図解入りの「砂防指定地 宮花川」の表示板。これで四つ目の表示板。現在地がかろうじてわかります。ははあ、この川は右から左に流れ、国道31号線に向かっているんだという絵ときができました。
戸数が少ないせいもあってか、人と会うことがありませんでした。このあたりで物を落としたら、川底が深いので拾うことができないと思いました。
上流でみかけた五つ目の「急傾斜地崩壊危険区域 宮花10地区」の表示板。絵図が記されているようですけど、風化して、よく分かりませんでした。ともあれ、土砂災害だの山腹崩壊だの、危険渓流だの、急傾斜地崩壊だのと、まあ、これでもかというくらい怖がらせていただきながらのスリル感ある散歩になりました。この宮花川は、JR呉線の下をかいくぐって、やがては吉浦湾に注ぎ込んでいきます。
国道に近い宮花川のそばには、慈光院があり、子安地蔵のご尊顔を路地から仰ぎみることができます。「取りこし苦労も過ぎこし苦労もせんでいい」とやさしく語りかけてるようで、安らぎを覚えます。
1. 細い渓流の宮花川